みなさま、こんにちは!五城目トーヨー住器株式会社のマヨマヨです。
これは、2025年のゴールデンウィークに家族で出かけた、ささやかな旅行の記録です。
──そう、「ささやかなはず」だったんです。
後部座席に便利なテーブルがつき、広々とした車内。
一見、長距離の家族旅行に最適に思える我が家のミニバン。

ただし、夫の趣味でローダウン(車高を低くする改造)されており、車体と地面の間にほとんど隙間がない状態です。

車種は伏せますが、トヨタのアルファード・ノア・ヴェルファイアや、ホンダのフリード・ステップワゴン・日産のセレナのような、いわゆる「大型ミニバン」サイズ。
車内の快適さとは裏腹に、今回の旅では、地形・車高・道幅との闘いが待っていました。
車に興味がなかった私が、初めて「車という存在に恐怖を感じた」旅の記録として──これから綴っていきます。
第一話:動けない朝の、静かな焦燥
早朝出発の予定だった。
荷物の準備も万端。体調不良者もなく、天気も良好。
しかし、走り出す直前に、夫の口から漏れた言葉が空気を凍らせた。
「……ちょ、ガソリン、入ってないじゃん。」

時計の針が止まったような、静かな朝。
近所のガソリンスタンドはまだ開いていない。
仕方なく、予定では吉野家で朝食を食べているはずの時間を、コンビニの駐車場で過ごすことに。
コンビニで食事を買い、各自は車内で黙々と朝ごはん。
ようやくスタンドが開き、ガソリンを入れ出発。が、娘の手にはまだ食べかけのサンドイッチ。

後部座席のテーブルの上に置かれていたそれに、私は一応こう言った。
「運転中に手で抑えておくんだよ。」
しかし、子どもはテーブルに絶対的な信頼を置いている。
──その信頼は、赤信号での急ブレーキによって裏切られた。
ポトッ──と無惨にも落ちるサンドイッチ。
食べかけのパンの断面が、床に広がる。
静かな絶望が、車内に満ちていく。